こんにちは!リモートガールです。
今回は中国で一線を画したクラウドファンディングサービス「Qingsongchou(軽松籌)」をご紹介したいと思います。
Qingsongchou(軽松籌)とは?
「Qingsongchou(軽松籌)」は現在183ヵ国2億人以上のユーザーを持つ、中国最大のクラウドファンディングプラットフォームです。
一般的に知られるクラウドファンディングとの大きな違いは、「医療費用」の支援であるという点です。
皆さんが想像するクラウドファンディングと言えば、何か新しい事に「挑戦したい!」という人・企業・団体に対して、「応援する」といった流れではないでしょうか。
しかし「Qingsongchou(軽松籌)」は『病気で困っている』人を『みんなで助ける』ことを目的としているクラウドファンディングで、中国の新しい保険サービスとして注目されています。
プロモーション動画
このサービスを物語調にして伝える公式プロモーションビデオがありましたので2つほど添付しておきますね。
題:Qingsongchouで夢は叶う
事実を基に作られたタイ向けプロモーション動画
サービスの内容
「Qingsongchou(軽松籌)」には大きく分けて3つのサービスがあります。
- 轻松互助:『個人の積立金でお互い助け合う』サービス
- 轻松e保:『保険販売』プラットフォーム
- 大病救助:『医療費を調達する』クラウドファンディング
1.轻松互助:ユーザー同士で助け合う
「轻松互助」は病気になってからではなく、健康である時に1人あたり10元(日本円で約170~180円)を入金しておく保険型のサービス。(※1度きりでOK。毎月ではありません)
本人だけでなく、恋人、子供、両親の分もまとめて入金する事ができます。
その後、急な医療費が必要になった場合に全ユーザーの積み立て金から必要な額の援助を受けることができます。
健康な間は、自分の積み立て金によって困っている人を助ける事ができ、逆に自分が病気になった時は皆から助けてもらえる、といった助け合いの仕組み、まさに保険と同じ仕組みですね。
ただ、毎月掛け金が必要なわけではないので保険に比べて負担は最小限、というかほとんど無い。
いかに全体ユーザーを増やすことができるか、全員が健康でいるか、が鍵となるという事は言うまでもないですね。
支払いはWeChat Pay もしくは Alipay経由で行うことができます。
やはり中国と言えばこの支払いの手軽さが、サービス浸透に貢献するポイントなのでしょう。
支払方法を選択すると、各支払用アプリに移動します。(画像はWeChat)
例えば、自分の分と恋人の分で合計20元(日本円で約34~36円)を入金すれば完了です。
李氏は入会後、2017年の3月に肝臓癌を患いました。そこで、轻松互助で援助を申請。その後約1000万人のユーザーがそれぞれ0.03元を寄付し30万元の基金が集まりました。
2.轻松e保:保険のECサイト
Qingsongchouは、中国国内大手保険会社(14企業)と提携して、インターネット上の保険販売プラットフォームを確立しています。
プラットフォームを利用するためには、WeChatで専用アカウントをフォローする必要があります。
フォローした専用アカウントから、各社が提供する保険を検索・加入・管理する事ができるページに移動できます。
保険のECサイトというような感じでしょうか。
自分のニーズに合わせた保険を検索し、その場で加入することができる手軽さは今までにない仕組みです。
3.大病救助:高額医療費調達クラウドファンディング
重い病気を患った場合の支援。こちらがいわゆる「クラウドファンディング」の仕組みになります。
プロジェクトの立ち上げは簡単で、アプリから支援を募るページを作成する事ができます。
もちろん、ページ作成後は病気の状態や診断書などを提出した後、審査が通ったものだけが掲載されます。
アプリでプロジェクトを作成
アプリで募集内容を作成し審査が通った後、アプリ上に掲載されます。
その後掲載内容をWeChatに共有する事で、第三者からWachat Pay等で資金援助を受ける事ができます。(入会金などは不要)
難病や手術を伴う治療には長期的な医療費が必要になります。
そのような時に支援を発起して資金の援助を呼びかける事ができるので、今まで資金が無く高額治療を諦めるしか無かった方々に手を差し伸べる画期的な仕組みなのです。
2018年までの調達金額
「Qingsongchou(軽松籌)」では、2018年初めまでに全国160万世帯、総額200億以上の支援金が集められています。
2017年にはBlockchain Technology(ブロックチェーンテクノロジー)とビッグデータを導入し、募集金の情報すべてを公開。透明な公益事業を確立しています。
これらの取組みとユーザー数・サービス浸透の急成長は、「Qingsongchou(軽松籌)」が中国のヘルスケア市場を変える大きな担い手であるといっても過言ではありません。
今回ご紹介した「Qingsongchou(軽松籌)」をはじめとして、中国では様々なクラウドファンディングプラットフォームが勃興している、クラファン戦国時代に突入しています。
今後も面白いクラファンサイト、サービス、成功事例をご紹介していきますのでお楽しみに!
プロダクト支援など、日本のMakuakeやCampfireに近いクラウドファンディングに興味のある方はこちらの記事『中国クラウドファンディングプラットフォーム「淘宝众筹」と成功事例』がおすすめです。