こんにちは、リモートガールです。
まもなく、アメリカでTikTok(バイトダンス)やWeChat(テンセント)が使えなくなる、というニュースに戦々恐々としている日本のみなさんのために、最悪のシナリオである
『日本もアメリカに追随して、TikTokやWeChatが使えなくなる』
場合に備えて今できることをシェアしたいと思います。
WeChat(ウィーチャット)の代替アプリは?
まず、中国の方とのコミュニケーションツールとして欠かせないのがWeChat(ウィーチャット)。
こちらに関しては、アメリカが禁じ得ないアプリを代替手段として使うのが唯一の手段かと思われます。
以下、上から順におすすめの代替アプリはこちらです。
1.Skype【中国側VPN不要】
今回紹介する代替アプリの中で唯一VPNが無くても中国で使うことができるビデオ&チャットツールです。
最近では使う人も減っている印象ですが、日中間でやり取りする上で実はハードルが低いツールでもあります。
ファイル送信もできるので、プライベートだけでなくビジネスシーンでも活躍します。
2.LINE【※中国側ではVPNが必要】
2以下は全て、中国国内での利用の際にVPNが必要となるアプリなのですが、LINEに関しては米国製のアプリではない為、万が一中国がアメリカに対する報復規制をしたとしても、それに当たらないという観点から2番目の候補として挙げています。
3.WhatsApp【※中国側ではVPNが必要】
主に欧米諸国との取引経験があるビジネスパーソンが使っているWhatsApp。海外に友人を持つ中国人の方であれば既に使っている人も多いようです。ビジネスシーンで用いるのであれば、LINEや次に紹介するInstagramよりもWhatsAppの方が好まれるでしょう。
4.Instagram【※中国側ではVPNが必要】
ビジネスアカウントとして使う場合や、よほど海外に高い関心を持つ人(語学学習をしている人)でない限りInstagramアカウントを持っている人は少ないですが、電話番号を相手に知らせること無く気軽にチャット(DM)・ビデオ通話ができるので、広く浅い繋がりを持ちたい場合はInstagramがおすすめです。
現状、中国からはVPNを使うことで壁越えをすることができるので、本来中国では規制されている外資系アプリも実質使うことが可能です。
特に、Skypeであれば中国側でVPNを別途用意する必要がないので、利用する分にもハードルが低いのではないでしょうか。
どちらのアプリも無料でチャット・通話ができるので、WeChatの代替手段としては十分です。
TikTokの代替アプリは?
WeChatのようなチャットツールに関しては、海外との交流がある人だけが限定的にダメージを受ける印象ですが、TikTokに関しては各国独自のユーザーが育っており、アメリカ・日本それぞれの文化や商習慣に合わせた発展を遂げている最中でした。
それを踏まえると、単純に「替わりのアプリを使えばいいや」という切り替えは中々難しいことでしょう。
とはいえ、既にFacebook社はInstagramにTikTokに取って代わる機能を実装する準備をしているようですし、この大穴を埋めるがごとしと様々な新興アプリが誕生するのは自然な流れと言えます。
BUSINESS INSIDERが報じているこちらの記事『「トランプには逆らえない」TikTok創業者が全社員への手紙で訴えた胸中』では、バイトダンスのCEO張一鳴 氏の心境が述べられています。(以下、同記事より引用)
TikTokはまさにバネッサ(TikTokの米ゼネラルマネジャー)が動画で伝えたように、バイトダンスの商品にとどまらない、世界のユーザーのコミュニティーです。だから、私たちははこの「資産」を死なせる選択肢はありません。私たちはあらん限りを尽くして、他に替わる存在のないTikTokを守り、TikTokのユーザーエクスペリエンスが何ら影響を受けないようにしたいです。
ユーザー側からしても、まさにその通り。
ここまで世界中の人々を虜にしたコミュニティを“代替アプリ”なるもので挿げ(すげ)替えることなど容易ではないと思うのです。
とは言っても、今の私たちには今後の動向を見守ることしかできません。
最悪のシナリオである
『アメリカでTikTokが完全禁止。それに続き、日本でも禁止』
となる場合、Instagramの新機能を始めとするその他のアプリに乗り換えるしか手段はないということです。
今後日本で中国製アプリは消えてしまうのか
今後日本で中国のアプリが突然使えなくなるということは考えにくいですが、アメリカの影響で使いにくくなる・徐々に規制される可能性は大いにあります。
今回アメリカで矢面に立っているのはTikTok、WeChatですが、その他にもAlibabaグループなど大手中国アプリを軒並み禁止する可能性が無いとは言い切れません。
そうなると、WeChat Pay・Alipayなど海外在住の中国人にとって必要な送金手段を失うことになりかねないため、今回以上のインパクトが出るのではないでしょうか。
事実、インドではすでに多くの中国アプリが使えない為、中国⇔インド間でのビジネスではWhatsAppが必需品となっています。
WeChatやDingTalkなど便利な母国ツールがあるにも関わらず、海外の取引先とのやり取りには外国製(皮肉にもアメリカ製)アプリを使わねばならなくなる中国の心境たるや…。
今回をきっかけに、今後増々中国の孤立化が進むことになるのでしょうか。
Huawei然り、世界を牽引する技術力を持つ企業が悉(ことごと)くアメリカに邪険にされる状況を何とか解決する方法はないものなのか。
政治さえ絡まなければ世界各国が国境を越えて協業し、何倍ものスピードで革新的なサービスが生まれるだろうに…。
そう思うたびに、一消費者の私でさえこれだけのやるせなさを感じるのですから、これらサービスの創業者や従業員の方々の心境は筆舌に尽くしがたいものでしょう。