こんにちは!リモートガールです。
私はバイヤーという職業柄、月に数回、飛行機・高速鉄道で中国国内を移動しています。
国内移動とはいえ、州を跨げば飛行機で2時間以上。隣の都市でも高速鉄道で3時間以上かかることもしばしば。
そんな時、私がよく待ち時間に利用するのが空港・駅構内にある「マッサージチェア」。
今思えば、日本では一度も使ったことが無かった私が今ではすっかりお世話になっている・・・。
その理由は中国ならではの手法によるものだと、最近ようやく気付いたんです。
大量鎮座するマッサージチェア
近頃、国際線・国内線問わず中国の空港、高速鉄道の駅構内に現れたマッサージチェア。
日本にも以前から空港搭乗口付近に設置されており、それ自体は何ら新しいサービスではありません。
しかし中国は、日本のそれとは比べ物にならない相当な台数が一気に導入されているんです。
かく言う私も中国の空港ではじめて見た時は、それらがマッサージチェアであることさえ気づかずに、ごく自然な流れで座ってしまいました。
というのも、日本で見るものの大半は“マッサージチェアゾーン”とも見て取れるような場所に仰々しく並べてあり、普通の椅子とは隔離されていますよね。
それに対して、中国ではあたかも普通の椅子のように大量に並べられており、それらがマッサージチェアだとは思わなかったのです。
日本のマッサージチェアとの違い
しかし座って見ればすぐに、それがマッサージ機能を持った椅子で且つ、日本にはない秀逸な仕組みであるということが分かりました。
私がよく利用する機種は2種類ありまして、1つ目のパターンは座ってすぐに耳元からアナウンスが流れる機種です。
椅子に座るや否や「この椅子は〇分△元でマッサージを受ける事ができます…」といったようなイントロダクションが流れます。
2つ目のパターンは、突如としてマッサージが始まる機種です。初めて座ったのはこちらの機種で、それはそれは驚きました。
しかし、気持ちよく体がほぐされてきた頃に突然動作がストップ。実はこの機種、「座って3分は無料。その後は課金してね」というパターンだったのです。無料トライアルでとにかく試してもらうタイプですね。
どちらにせよ、座った後にその椅子が課金制マッサージチェアだということに気づくのですから、中国にいれば瞬間的にQRコードを探すわけです。中国といえばQRコード。QRコードといえば商品説明もしくは支払い、といったロジックです。
手元のQRコードで課金
そこでQRコードを読み取ると、サービス案内とともに料金表が現れます。
QRコードは決済機能がついたアプリ(WeChatもしくはAlipay)で読み込むのが一般的なので、それらアプリでメニューを選び即座に決済が完了する、という流れです。
更にありがたいことに、これらマッサージチェアにはUSBポートが付いていることが多いので、スマホを出したついでに充電も可能です。
逆に言えば、充電目的で座って、待っているついでにマッサージを受けるという人もいるでしょう。
新サービス=キャッシュレス×大量導入+α
- 大量導入している
- マッサージチェアとして使わなくても良い
- 充電用のUSBポートが付いている
- 完全キャッシュレス
- 無料トライアルがある(一部機種に限る)
シェアサイクル然り、半ば中国新サービスの主流になりつつある大量導入×キャッシュレスの合わせ技。
資金力があってこそ成せる技ではありますが、やはり「数が多い」「便利」が共存すると、新しいものに対する心理的ハードルは下がります。
このマッサージチェアの場合6分間で約102円という良心的な価格なので、日本のような「マッサージチェア=ちょっと贅沢する」という感覚とは異なり、「時間を有効活用する」「疲れてるから使う」といった合理的な考えが大いに働くのではないでしょうか。
先日の記事「モバイルバッテリー×タピオカドリンク=? 中国の“隙あらば商売”精神がスゴイ」でご紹介したシェアモバイルバッテリーと同様、“何かを待っている時間”を有効活用するビジネスが中国にはまだまだ沢山あります。
第三者とモノをシェアするだけでなく、一個人の時間を1つの消費で終わらせない、企業同士による時間のシェアという考え方がこれからのキーワードになりそうです。